『BLACK LIVES MATTER (BLM)』とは何を表し、そして、意味するのか?【全容解説】

まえがき

昨年、2020年5月25日にアメリカ・ミネソタ州ミネアポリスにて、アフリカ系アメリカ人であるジョージ・フロイドさんが、白人警察官によって首を圧迫し続けられた (8分46秒間) ことにより亡くなったという事件『ジョージ・フロイド事件』が起こり、それからアメリカを中心に世界中で"BLACK LIVES MATTER (略称: BLM)"という黒人に対する人種差別抗議運動が広がりました。

そこでは、世界中の人々が黒人に対する暴力や差別を訴え、大規模なデモなどを起こしました。

また、このことは日本でも多くのメディアやニュースなどで取り上げられ、一部地域ではBLACK LIVES MATTERのデモが起こるなどして大きな話題となりました。

また、現在では大規模なデモなどは起こっていませんが、"BLACK LIVES MATTER (BLM)"自体は決して一過性のものではなく、これから先も長い年月をかけて私たちの社会に大きな影響と変化をもたらすことになります。

そして今回、この"BLACK LIVES MATTER (BLM)"について詳しく取り上げることで、一人でも多くの方に"BLACK LIVES MATTER (BLM)"に関する知識と理解を深めてもらえたらと思います。

"BLACK LIVES MATTER (BLM)"の基本的な意味から歴史的経緯や流れ、そして、今後どのように私たちの社会に対して働きかけていくのかなど、"BLACK LIVES MATTER (BLM)"に関する総括的な内容をお届けしていきたいと思います。

内容自体は少し長くなりますが、"BLACK LIVES MATTER (BLM)"に関する全容が理解できるようになっておりますので、ぜひとも、最後まで読んでいただければと思います。

それではさっそく見ていきましょう。

BLACK LIVES MATTER (BLM) の意味・定義

それではまず、BLACK LIVES MATTER (BLM) の意味・定義から説明していきたいと思います。

BLACK LIVES MATTER (BLM) とは、2013年に始まった黒人に対する人種差別や暴力行為をなくすための社会運動を表し、SNSなどのハッシュタグ “#BlackLivesMatter” によって急速的に世界中へと広まっていった活動になります。

この"BLACK LIVES MATTER"という言葉は活動そのもののスローガンにもなっており、

それぞれ、BLACK (黒人の) LIVES (命) MATTER (大切である、重要である)で、

"BLACK LIVES MATTER"

『 (黒人に対する人種差別や暴力などに対して) 黒人の命は (他の人種の人たちと同じく) 大切である (尊重されるべきものである』ということを表しています。

BLACK LIVES MATTER (BLM) の歴史と経緯 〜成立から今日に至るまで〜

次に、BLACK LIVES MATTER (BLM) の歴史と経緯について説明していきます。

BLACK LIVES MATTER (BLM) は、2012年2月にアメリカフロリダ州で起きた、当時17歳の高校生であったアフリカ系アメリカ人のトレイボン・マーティンさんが自警団員に射殺されるという事件が起こり、その後トレイボンさんを射殺した自警団員が無罪となったことを受け、

アメリカ・カルフォルニア州に住む活動家で、作家でもあるアリシア・ガーザさんがFaceBook上に、

"Black people. I love you. I love us. We matter. Our lives matter. Black lives matter."

『黒人の皆さん。私はあなた方を愛しています。私たちを愛しています。私たちは大切な存在なのです。私たちの命は大切なのです。ブラック・ライブズ・マター。)』

という文章を投稿しました。

それからガーザさんに賛同した同じく活動家で、ガーザさんの親しい仲であるオパール・トメティさんとパトリス・カラーズさんは#BlackLivesMatterのハッシュタグをつけて発信していきました。

そして、2013年7月から本格的に"BLACK LIVES MATTER (BLM) "の活動がスタートし、ハッシュタグによるSNSでの拡散やBlack Lives Matter Global Network Foundation (略称: BLMGNF) といった財団を立ち上げるなどの活動を行っていきました。

そして、翌年2014年7月にはアメリカ・ニューヨークで黒人男性のエリック・ガーナさんが警察官によって首を絞められ続けたことによって窒息死で亡くなり、

また、翌月8月にはアメリカ・ミーズリー州ファーガソンで当時18歳であったマイケル・ブラウンさんが白人警察官によって射殺されたことを受け、

ファーガソンでは大規模なデモや暴動が起こり、これまで多くのアフリカ系アメリカ人が警察官によって殺されたことに対するデモなどが行われ、この時にBLACK LIVES MATTERはアメリカ全土で広く知れ渡ることとなりました。

そして、2015年には、BLACK LIVES MATTERは2016年アメリカ合衆国大統領選挙までにも大きな影響を与えるようになっていきました。

アリシア・ガーザさんとパトリッセ・カラーズさん、そして、オパール・トメティさんは、2014年から2016年にかけて30以上ものネットワークをアメリカ各地に構築し、#BlackLiveMatterのさらなる拡散に努めるなどして、BLACK LIVES MATTER (BLM) をこれまで以上に大きなものにするため、精力的に働きかけていきました。

そして、昨年2020年5月25日にアメリカ・ミネソタ州ミネアポリスで起こったジョージ・フロイド事件によって"BLACK LIVES MATTER (BLM)"はアメリカ全土のみならず、全世界規模の社会運動となっていきました。

2021年1月には、BLACK LIVES MATTERはノーベル平和賞にもノミネートされるなど、今日において私たちの社会に大きな影響と変化を与え続けています。

〜BLACK LIVES MATTER (BLM) 時系列表〜

2012年2月

アメリカフロリダ州にて当時17歳のアフリカ系アメリカ人であるトレイボン・マーティンさんが自警団員に射殺される。(トレイボン・マーティン射殺事件)

2013年7月

#BlackLivesMatterのハッシュタグとともに、Black Live Matter (BLM) の活動がスタートする。

2014年7月

アメリカニューヨークでエリック・ガーナさんが白人警察官による拘束時の絞め技と胸部の圧迫により窒息死で亡くなる。(エリック・ガーナ窒息死事件)

2014年8月

アメリカミーズリー州ファーガンソンで当時18歳であったマイケル・ブラウンさんが白人警察官によって射殺される。(マイケル・ブラウン射殺事件)

マイケル・ブラウンさんの事件を受け、ファーガンソンでは大規模なデモや暴動が起こる。また、この事件をきっかけにBLACK LIVES MATTER (BLM) がアメリカ全土に広く認知されるようになる。

2014〜2016年

BLACK LIVES MATTER (BLM) のネットワークをアメリカ各地30箇所以上に構築する。

2020年5月25日

アメリカミネソタ州ミネアポリスでジョージ・フロイドさんが白人警察官によって首を圧迫され続けたことにより窒息死で亡くなる。(ジョージ・フロイド事件)

ジョージ・フロイドさんの死を受けて、全世界中で大規模なデモが起きる。また、この時にBLACK LIVES MATTERは全世界中に広まり、世界的な社会運動になっていった。

2021年1月

BLACK LIVES MATTERがノーベル平和賞にノミネートされる。

BLACK LIVES MATTER (BLM) は社会に対してどのような意義を持ち、そして、影響を与えるのか?

BLACK LIVES MATTER (BLM)は、今やアメリカ国内のみならず、全世界中で大きなムーブメントを引き起こしています。

そして、このBLACK LIVES MATTER (BLM) の活動によって、私たちの社会に対して人種差別への認識と取り組みを促し、人種差別撤廃に向けて、これからも大きな影響を与え続けていきます。

今後に向けて

ここまでBLACK LIVES MATTER (BLM)に関する全容をお伝えしてきましたが、BLACK LIVES MATTER (BLM)はまだまだ始まったばかりであり、これから先も長い年月をかけて社会に大きな変化をもたらしていくことになります。

そして、私たちもこれをきっかけに多くのことを学ぶこととなり、社会全体としての変化が求められていきます。

終わりに

以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

長文で内容自体も濃かったため、読むのが少し大変だったかもしれません。

ですが、これによって少しでもBLACK LIVES MATTERに関する理解と関心が深まってもらえていれば何よりです。

それでは今回は以上となりますが、最後にBLACK LIVES MATTERに関する動画を1つ上げておきますので、よろしければご視聴いただければと思います。

それではみなさん、最後までありがとうございました。

※ このページは随時、BLACK LIVES MATTERに関する情報を追加・訂正等していく予定です。