『have to』も『need to』も『must』も、どれも『~しなければいけない』と、日本語においては全て同じ意味を取りますが、
それぞれニュアンスが異なり、使い分けされていることは、おそらくみなさん知っている方が多いかと思います。
では、それらを実際にしっかりと理解し、正しく使いこなせているでしょうか?
知っているはものの、正しく理解せずになんとなく使っているという方も多いかと思います。
そこで、今回、それぞれの違いについてわかりやすく解説しますので、ここでしっかりと使いこなせるようにしておきましょう。
それでは、いきますよ!
『have to」と「need to』と『must』の違い
『have to 』
~しなければいけない(客観・義務)
have toは、自分自身や相手がそれをやる、やらないに限らず、周囲の環境や状況など、外的状況からそれを否応なしにやらなければならないということを意味します。
もう少しわかりやすいように説明すると、例えば、あなたが日本の総理大臣になったとして、今日のお昼1時からアメリカのトランプ大統領と首脳会談があります。
そこで、あなたは絶対に首脳会議に行かなければなりません。
この時に、あなたはhave toを使うことになります。
もう1つ身近な例を挙げると、例えば、あなたが何人かの友だちと一緒にコンサートに行くことになったとします。
そこで、あなたがその友だち全員分のチケットも当日まで預かっていたとします。
この時あなたは、その友だちみんなのチケットを預かっているという責任があるため、当日にそのチケットを忘れずに持っていき、みんなに渡さなければいけません。
この時あなたはhave toを使うことになります。
なんとなくわかったでしょうか?それでは、実際に例文を見ながら確認していきましょう。
I have to take an English test tomorrow.
私は明日英語のテストを受けなければいけない。
take a test テストを受ける
I’m sorry that i couldn’t meet you yesterday, but I had to attend a sudden meeting.
昨日は会えなくてごめんね、急な会議が入って出席しなければいけなかったんだ。
※ had toはhave toの過去形であり『~しなければならなかった』という意味になります。
attend the meeting 会議に出席する
sudden 急な
You have to hurry up to catch your flight.
フライトに間に合うためにはあなたは急がなければいけません。
hurry up 急ぐ
catch a flight 飛行機に乗る、 フライトに間に合う
You don’t have to worry about it, we’ll do it for you.
心配する必要はないよ。私たちがやるから。
※ don’t have toはhave toの否定形で、『~しなければいけない義務はない』、つまり、『~する必要はない、~しなくてもいい』という意味になります。
worry about~ ~について心配する
He has to go to work everyday to feed his family.
彼は家族を養うために毎日働かなければいけない。
go to work 仕事にいく、働く
feed ~を養う
She has to go to kindergarten by 5 o’clock to pick up her children.
彼女は5時までに幼稚園に行き、子どもたちを迎えにいかなければいけない。
kindergarden 幼稚園
by ~までに
pick up 〜を迎えにいく
『need to』
~する必要がある、~しなければいけない (主観・任意・必要性)
need toは、自分自身、その人自身が、それをやる必要性があると自ら判断した上で、やらなければいけないということを意味します。
つまり、例えば、あなたが毎日朝起きてから毎日10キロジョギングすると決めていたとします。
でも、これは決して他の誰かが決めたことでもなく、また、必ず果たさなければいけないという義務でもありません。
それは、あなたが自分自身で健康や体力づくりなどのために必要だと判断した上で行なっています。
この時、あなたはneed toを使うことになります。
もう1つ他の例で言うと、あなたが毎日英単語を10個覚えると決めます。
それは、決して絶対にやらなければいけないという義務ではなく、あなたが英語力向上のために自分自身で必要と判断した上で行います。
この時、あなたはneed toを使うことになります。
なんとなくわかりましたでしょうか?
need とは決して絶対的義務ではなく、あくまでその人自身の任意であり、必要性の上、しなければいけないことを表します。
この必要性ということに関して、need(~が必要である)が使われていることからも明らかで、わかりやすいかと思います。
それでは、例文で確認していきましょう。
I need to buy some bananas tomorrow. There’s only a few left.
バナナがもう少ししか残っていないから、明日買いに行く必要がある。
only a few ほんの少し、わずか
left 残っている
I needed to study English a lot last week for TOEIC Test.
先週はTOEICのためにたくさん英語を勉強しなければいけなかった。
a lot たくさん
※ needed toはneed toの過去形であり、『~する必要があった』という意味になります。
You need to think more before you buy this because it’s so expensive.
あなたはこれを買う前にもっと考える必要があるよ。だって、とても高価なものだからね。
expensive 高い、高価な
You don’t need to buy winter clothes anymore. You’ve already had a lot.
もうこれ以上冬服は買う必要はないと思うよ。もうすでにたくさん持っているじゃん。
※ don’t need toはneed toの否定形であり、『~する必要はない』という意味になります。
winter clothes 冬物、冬服
He needs to gain more experiences if he wants to get better.
上手くなりたいなら、彼はもっと経験を積む必要がある。
gain ~を得る
experience(s) 経験
get better 上手くなる
She needs to tidy up her room because it’s full of stuff.
彼女は片付ける必要があるよ。なぜなら、彼女の部屋は物で溢れてかえっているからね。
tidy up 綺麗にする、片付ける、整理する
『must』
~しなければいけない(主観・強い義務・強い意思)
mustは、その人自身が主観的に ”〜しなければいけない” と強く感じており、have toのような客観的な視点は持たず、あくまでmustを用いるその人自身が ”しなければいけない” と判断していて使われます。
例えば、あなたが受験生だとして、”毎日10時間勉強しなければいけない” と言ったとき、それは、必ずしも客観的にそれを否応なしに、絶対しなければいけないという義務はなく、あくまであなたが10時間勉強しなければいけないと主観的に強く思い、考えた上で、それを判断しています。
この時、あなたはmustを使うことになります。
もう一つ例をあげると、たとえばあなたが1カ月で必ず10kg痩せると固く決意し、ライザップに毎日通うと決めます。
この時あなたは、mustを使うことになります。have toは客観的な義務を表すのに対し、mustは主観的な強い義務や意思を表します。
では、need toとmustは何が違うのか、これに対しては、mustはneed toよりも強い義務感や意思を持っており、必要性はもちろん、それをとにかく絶対にやらなければいけないといったニュアンスが強くあるということに大きな違いがあります。
以上、なんとなくニュアンスはつかめたでしょうか?
それでは、実際に例文を見ながら確認していきましょう。
I must work out hard to lose weight.
痩せるために私は本気でトレーニングしなければいけない。
work out 運動する、トレーニングする、エクササイズする
lose weight 痩せる、減量する、体重を減らす
I must do it no matter what.
私は何としてでもそれをしなければいけない。
no matter what 何としてでも
I must not stop training to achieve my goal.
目標を達成するためにはトレーニングをやめてはいけない。
stop〜ing 〜することをやめる
achieve 〜を達成する
goal 目標
You must do it anyway.
あなたはとにかくそれをやらなければなりません。
anyway とにかく
※ mustの主語がYouになった場合は、その人のあなたに対する主観的な強い義務や意思を表しており、命令文に近いニュアンスになります。ですので、You を主語にしてmustを使う際は、そのことを十分に理解した上で使うようにしましょう。
You must not do that again.
もう二度としてはいけません。
again もう一度、再び
not again もう二度と〜ない、もう二度と〜しない
You must not tell that to anybody else.
そのことを誰にも話してはいけません。
※ You mustで命令文に近いと説明しましたが、そこにnotをつけることで、今度は、否定の命令文 (あなたは〜してはいけない)となるので、強い注意や禁止を表します。こちらも、使う際には、十分に理解した上で使うようにしましょう。
tell〜to 人 人に〜を話す
※tellは他にも、tell 人 〜の形をとることもできます。意味は同じになります。
anybody else 他の誰か(疑問文で使われるとき)
anybody else 他の誰にも (否定文で使われるとき)
We must not stop learning.
学ぶことをやめてはいけない。
※ ちなみに『have to」と「need to』と『must』これはよく使われる順に並んでいます。
おさらい(have toとneed toとmustの違い)
それでは、最後にこれまでのおさらいをします。
・have toは客観的な義務を表し、周囲の環境や状況などの外的状況から、やらなければいけないことを意味する。
・need toは主観的な必要性を表し、have toのような義務などはなく、あくまで任意であること。
・mustは主観的な強い義務や意思を表し、自身がやらなければいけないことを強く感じていることを表す。
おわりに
以上、これまで、have toとneed toとmustの違いについて説明してきましたが、いかがだったでしょうか?
それぞれ違いは理解できましたでしょうか?
また、実際に何度もこのページを読み直しつつ、実際に意識しながら使っていくことで少しずつ使いこなせるようになっていくかと思います。
少しずつ頑張っていきましょう。
それでは、本日はここまでとなります。
それでは、また明日!